こんにちは、矯正治療担当医の槇本です。
今回は、皆さんがインビザラインのアライナー(マウスピース)を使用する際に必ず一度は起きるであろう、合わなくなったときの対処法について説明したいと思います。
合わない原因について、
1. 使用時間が短い
2.アライナーをしっかりはめていない
3.虫歯治療などで歯の形が変わってしまった
4.治療計画よりも歯が動いていない
などなどがあります。
アライナーが不適と判断した際、チューイー(硬めのガムのようなもの。使用時に噛んでいただくことでアライナーをfitさせる)を長めに使用することや、アライナーの日数を増やす場合がありあます。
しかし、大幅に合わなくなった場合は、現在の口腔内の状態を光学印象で採得し、アライナーを新しく作ることを行います。
その時に活躍するのが当院にある光学印象器iTeroで、従来のシリコン素材を用いた印象材を使って採得する方法よりも患者様にとって処置時間が短く、負担があるかに少ないです。また、精密度も高いため、より適合したアライナーを作ることができます。
新しくアライナーを作る場合では、新しいアライナーが届くまで、患者様には現在使っているアライナーを夜間のみ使って頂いています。
せっかく今まで動いた歯が、何も装置がついていないフリーの状態ではすぐ後戻りしてしまうため、今までの矯正期間が無駄になってしまうこと、さらに、新しいアライナーが合わなくなってしまうからです。
アライナーが合わなくなった際、どうするか、を紹介しましたが、『あれ?合わなくなった気がする』と心配になりましたら、自己判断で対処せず、まず当院へご連絡ください。
*アライナー使用の際、「装置が汚れることが気になる」方も多いでしょう。
当院で勧めているのは、毎日歯ブラシで磨き、週に1回ほど、矯正装置専用の洗剤で洗うことです。さらに、超音波洗浄機で洗うと、より綺麗に保つことができます。
(アメリカの矯正学会雑誌Angleに掲載されている論文で、
1.フッ素入り歯磨きで磨く、
2.マウスウォッシュにつける、
3.超音波洗浄機で洗う、
の3つの方法で実験され、超音波洗浄機で洗った方が一番バイオフィルムの付着率が低かった、というデータが出ています。https://www.angle.org/doi/pdf/10.2319/012413-75.1)
ご存知の方は多いかもしれませんが、超音波洗浄の原理としては、図のように超音波の振動で、水中に見えないほどの小さな気泡が無数に発生します。
発生した気泡が、洗浄物に当たって破裂するときの衝撃波で洗浄物に付着した汚れなどを引き剥がすことで洗浄します。
当院でも、超音波洗浄機の販売を行なっています。ご興味がありましたら、ぜひお問い合わせください。