抜歯になるケースとならないケースの違いはどのようなものでしょうか?
顎の大きさと歯の大きさのバランスです。
小児においての考え方としては、椅子取りゲームをイメージして下さい。3人掛けのベンチに4人が座ろうとした場合、椅子を伸ばしてあげて4人座れるように拡大して4人全員が座れます。ただ、椅子を伸ばすには時間がかります。
3人掛けの椅子に4人座る為に、全員が少しずつ痩せて、全員座れるのが、スライス(ストリッピング、IPR)して治療するイメージです。
この治療は、大人でも小児でも可能です。
次に、4人のうち、1人いなくなって、3人掛けのベンチに3人座るのが、抜歯して治療するイメージです。
3人掛けのベンチに5人座ろうとしているなら、抜歯して治療する事をお勧めします。窮屈な椅子に座ると、短時間なら座ってられますが、長時間は座っていられないですよね。矯正治療で言えば、無理に非抜歯で治療した場合は、後戻り(リラプス)しやすいです。
メリット、デメリットがそれぞれあるので、それらをわかりやすく説明する事を心掛けています。
手術を併用する骨格性不正咬合の矯正治療では、手術量を大きくする為、非抜歯になることが多いです。
このような歯並びは非抜歯で並べられます。
鞍状歯列弓といいます。馬に乗る時に、馬の背中にのせる鞍の形に似ているから、このような名称が付けられています。下顎歯列にみられるもので、大臼歯が近心転位し小臼歯が舌側に萌出することで歯列弓が鞍状になったもの。第二小臼歯の萌出順と余地不足が原因です。