インビザラインで治療を始められた患者さんは、みんな言います。
本当に動いてきました!
歯を動かしていく原理はワイヤーもマウスピースも同じです。インビザラインでもしっかり歯は動きます。
インビザライン治療では、歯を効率よく動かす為に色々な補助機能があります。
①スマートトラック
マウスピースの材質のことです。スマートトラックの材質の特性は、
・より持続的な力をかけられます。
・元に近い形状に戻る高い弾性があります。
・歯列により正確に適合します。
②クリンチェックの改良
クリンチェックとは、どのように歯を移動させていくか、その為には、どこにアタッチメント等を付与するかを計画するコンピュータのシステムです。
③光学印象(アイテロ)
光学印象とは、従来の粘土のような印象材で型取りをするのではなく、一秒間に6000枚の写真をとり、それを組み合わせデーター化してコンピュータ上で歯型を再現するシステムです。とても精度が良く、また患者様にとっても印象取りの苦痛を味わなくてすむ画期的なものです。もちろん、当院でもアイテロは導入しています。
④アタッチメント
インビザライン治療で重要なのがアタッチメントです。アタッチメントとは、3次元的に効率よく歯の移動を行う為のポッチです。クリンチェック上で付ける位置を決め、実際に歯に付けます。レジンというプラスチックを付けます。前歯にはできるだけ付与しないようにしますが、どうしても付与する必要がある時は、裏側に付与します。
突起物にるので、アライナーを外している時は、若干違和感がありますが、基本的には20時間はアライナーを装着しているので、それほど気にはならないです。
治療終了後には、簡単に外せますので、ご安心下さい。
アタッチメントによる歯への効果
❶歯体移動
インビザラインは傾斜移動しやすいので、アタッチメントを付与する事により歯体移動が可能になります。
❷挺出、圧下、回転、トルク
アタッチメントを付与することにより、挺出、回転、トルクが可能になります。
④バイトランプ
上の前歯が下の前歯に深く被さっている噛み合わせを、過蓋咬合(ディープバイト)といいます。インビザライン治療において、最も難しいのが、この過蓋咬合の改善です。
その目的の為に開発されたのが、バイトランプです。上顎前歯の裏側に3mmの突起物をスマートトラックに付与して、そこに下顎前歯がぶつかることにより、上下顎前歯の圧下をさせます。
⑤顎間ゴム
エラスティックという小さなゴムを歯に付けたポッチに引っ掛けて、さらに歯に力をかけます。
アライナーに切り込みが入っていて、そこにゴムをかける場合もあります。
患者様ご自身で取り外しして頂きます。基本的には、お食事と歯磨き以外は装着します。最初は難しいですが、慣れると問題なく装着できます。
装着後は少し発音しづらくなる事もありますが、たくさんお話しして頂いた方が慣れます。また、ゴムが伸びるので、力が強くなり効果が大きいです。
ゴムをかけている歯が痛い事がありますが、数日我慢して頂くと痛みは軽減する事が多いです。
ゴムをかけるコツ
・最初は、鏡を見ながら掛けて下さい。次第に指の感覚で掛けられます。
・周り人がいる時に、ゴムの着脱をされないで下さい。着脱に失敗すると唾液が付いたゴムが飛んでしまいます。
・あくびは注意して、大きなお口開けないで下さい。
・ゴムが切れたり、飛んでしまった時のために、お渡ししたゴムの袋は、携帯して下さい。
・フックの周りを歯ブラシで磨いて下さい。
⑥パワーリッジ
これは、アライナーの前歯の歯茎側に加工されている「くぼみ」のことです。柔らかいプラスチックであるマウスピースで歯を動かしていくための機能のひとつで、特に前歯部分を効果的に動かすのに役立ちます。
⑦チューイ
アライナー装着時にアライナーと歯の間に、ご自身では気が付かない浮きがあります。シリコン製の丸太状のチューイを、噛んで頂く事により、しっかりとアライナーが装着され、この浮きがなくなります。チューイを噛む事は、治療の結果に大きく関わります。
マウスピースを装着する度、奥歯から前歯までまんべんなく、チューイを数回噛んで下さい。
チューイは、アライナーケースに入れておく事をお勧めします。
⑧IPR
エナメル質の範囲で、前歯の近心面と遠心面を削合(スライス)をして、空隙を作る事です。
がたがたがある歯並びで、抜歯せずに前歯を引っ込められたい患者様で行います。拡大する事で、若干引っ込める事も可能ですので、患者様とご相談の上させて頂きます。
IPRをする時に痛みは、ありません。ただ、振動が伝わり、不快感を感じる事はあります。特に、上の歯をIPRする時は、上顎は頭蓋とつながっているので、振動が伝わりやすいので違和感はあります。
一回のIPR量は少ないので、すきっ歯になるような事はないので、安心して下さい。
また、IPRする事で、歯並びを改善する時に生じることがある歯茎側の三角空隙を小さくできます。
バーチャルCチェーン
インビザラインのシステムに、バーチャルCチェーンがあり、空隙歯列の改善やIPRをした患者様の歯間接触の完全な閉鎖を目的に行います。隙間が残るような事はありません。