こんにちは、矯正担当医の槇本です。
東京オリンピック、みなさん見ていますでしょうか。日本選手の連日メダル獲得で、ついつい熱く応援してしまいます。無観客となり、テレビでしかその熱い戦いを見れないのは本当に残念ですが、毎日とても元気をもらっています。
さて、今日のテーマは矯正治療に伴う『抜歯』です。
ドクターは、患者様の治療計画を立てる上でしっかりと分析を行い、可能な限りは歯を抜かない診断を行います。しかし、抜歯の診断することももちろんがあります。
いくら、精査の分析を行い医学的に根拠を持って抜歯の診断をしていても、患者様に診断の際伝えるのは毎回緊張してしまうものです(痛い抜歯に対して抵抗を示さない患者様はおりませんから・・・)。
では、その判断基準はどのようなものでしょうか。
抜歯の基準
1.機能的な噛み合わせを実現できるか
2.きれいな横顔を実現できるか
矯正治療の目的は、ただ見栄え良く歯を並べることだけではありません。機能的にも、咬合機能の向上を目指す、それがわれわれの目標です。そのため、患者様お一人ひとりにしっかりカウンセリングを行い、その患者様に合ったオンリーワンの治療方針を立てるよう、心がけています。
抜歯が必要な症例
どうしても抜歯が必要なケースについて、具体的な例を紹介しましょう。
歯並びの乱れは、歯が生えるスペースが足りないときに起こる場合があります。歯がすべてきれいに生えそろうほど、顎が十分に発達しなかったケースなどです。
治療前:
こうしたケースで歯を抜かずに無理な矯正をしてしまうと、「上顎前突」になることがあります。いわゆる「出っ歯」で、歯並びがきれいになるどころか、かえって見た目が悪くなってしまいます。
これは3人掛けの椅子に、4人が座ろうとしているような状態です。人数分のスペースのある椅子を用意するか、座る人数を減らさなければ、全員がきちんと座ることはできません。これと同様、歯も顎のスペースを広げるか、歯の本数を減らさなければ、すべての歯をきれいに並べることができないのです。
治療後(上顎両側第一小臼歯を抜歯):
カウンセリングの重要性
歯科矯正で歯を抜くか、抜かないか、というのは重要な問題です。「抜歯をするのなら、歯科矯正はやめておこうか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
当院では、歯科矯正を始めるにあたっては、患者様の咬合状態をしっかりと確認し、どのような治療を選択すべきか、その治療法でどこまで矯正が可能なのか、メリット・デメリットを正確にお伝えすることを心がけています。その上で、抜歯を選択する場合は、納得いただいてからしか治療を開始しません。
当院の初診の矯正相談は、口腔内の写真と、レントゲンを用いて丁寧で、分かりやすい説明を心がけております。興味ありましたら、ぜひ一度ご相談ください。