歯医者になるには?
大学の歯学部で6年間の教育を受け、歯科医師国家試験に合格し、歯科医師資格(免許)を取得する必要があります。2006 年4月からは資格取得後、研修施設の指定を受けた病院などで1年以上の臨床研修を受けないと、歯医者として働くことができません。
私は、東京医科歯科大学歯学部を1993 年に卒業したので、臨床研修を受ける必要がなく、すぐに大学院に入学できました。従って、大学6年間、矯正学の大学院4 年間、計10 年間学生でした。
現在の制度では、歯医者になるには、実質7 年間かかり、また、私のように大学院までいくと、11 年間かかるのでとても大変です。
浪人せずに大学に入学しても、大学院を卒業すると、29歳になってしまいます。
私の時代では、最初の2年間は、教養課程といい、歯科とは全く関係ない英語、ドイツ語などの語学、数学、物理、生物、化学などを学びました。その後、専門課程で4年間をかけて、歯科に関しては以下の事を学びました。
基礎歯学
①解剖学
人体の構造について学ぶ解剖学、歯の発生や組織について学ぶ口腔組織・発生学、口腔と、その隣接組織の構造や歯と歯周組織の形態について学ぶ口腔解剖学の3つの分野に大きく分けられます。
②口腔生理学
人体の生理の概要や口腔生理 (咀嚼・唾液・嚥下・咬合など)を学び、生体の機能について学びます。
③口腔病理学
病気の原因経過、歯や口腔の病気について学びます。
④口腔生化学
生命の恒常性に関わる細胞分化と免疫応答の分子メカニズムを学びます。
⑤口腔薬理学
薬物を正しく用いるために薬物の性質や作用の仕方、副作用などを学びます。
⑥公衆衛生学
人口、環境衛生、食品衛生など、公衆衛生活動の基本的な知識を学びます。
臨床歯学
①歯科保存学
虫歯や歯周病になった歯を残すための治療法を学びます。歯科保存、歯周病学、歯内治療学に分けられます。
②歯科補綴学
歯や歯の一部を失い、入れ歯や冠をかぶせるなどの治療法を学びます。全部床義歯、部分床義歯、クラウンブリッヂ講座に分けられます。
③口腔外科学
癌や顎関節症等の口腔外科疾患、抜歯や切開などの手術の補助、滅菌や消毒に関して学びます。
④小児歯科学
発育期の小児患者との接し方と治療法、心身障がい児の歯科診療を学びます。
⑤歯科矯正学
顎骨の成長や不正咬合を治療する矯正に関する知識と矯正装置、患者管理の方法を学びます。
⑥歯科麻酔学
一般治療における麻酔の原理と方法だけでなく、口腔外科領域における全身麻酔法まで学びます。
歯科医師養成機関(大学)は国立大学11、公立大学1、私立大学17 機関、計29 機関あります。
(国立大学)
北海道大学から鹿児島大学歯学部まで全部で公立の九州歯科大学を含めますと、全部で12大学あります。
(私立大学)
北海道医療大学から福岡歯科大学まで全部で17校あります。