第112回(2018)歯科医師国家試験
昨日、歯科医師国家試験の合格発表がありました。
出願数3,723名、受験者数3,232名、合格者2,059名、合格率は63,7パーセントでした。出願数に対して、受験者数がとても少ないです。試験当日に欠席者がいますが、これは、卒業試験がある大学が多く、留年者が多いことを示しています。国家試験の合格率を挙げる為でしょうか。
ここ何年かは、2,000名前後の合格者で、合格率60パーセント前半だと記憶しています。
私が受験した1992年は、合格率が90パーセント近くありましたので、かなり難しくなってきていて、今の歯学部の学生は大変だと思います。
ただ、私が受験した頃も、緊張感というか、焦燥感はとてもありました。
私が卒業した東京医科歯科大学では、国家試験対策が全くありませんでした。そればかりか、国家試験2ヵ月前の1月末まで実習がありました。国家試験対策は、各自に任されていて、勝手に勉強して合格しなさい、というスタイルで、それが普通だと思ってました。
しかも、私には12月には大学院の入試もあり、本格的に勉強し始めたのは、12月20日からでした。私の頃は、確か3月20日頃に国家試験があり、実質3ヵ月しかありませんでした。
6月、8月、10月ぐらいに、歯科医師国家試験の塾である歯学教育スクールDES社が主宰する模擬試験がありましたが、毎回40パーセントの出来でした。ちなみに60パーセントで合格なので、何も勉強せずにこれだけできてたら、大丈夫だと、自分に都合の良い考えをしていました。
実際は、私の時代の国家試験は、5者一択でしたので、適当に答えを選んでも40パーセント近くは取れたのです。
12月末になると、もう焦りまくりました。人生で最も勉強した3ヵ月でした。朝から晩まで、誰とも話さずに大学の図書館で勉強しました。同級生も何人か図書館で勉強していましたが、それまでだったら、小一時間は談話してしまうのですが、お互い挨拶程度で、すぐ勉強でした。
国家試験は、年に一度しかなく、不合格だと一年何もする事がないのと、同級生に対する引け目などを感じる恐怖感があったからだと思います。この気持ちは、大学院の合格が決まってから、益々高くなりました。今では、国家試験は2月にあり、発表が3月にありますが、私の時代は、3月に国家試験、発表が4月中旬でしたので、入局してから、国家試験の発表なので、不合格の場合、メンタルが強くないと、同日に退局になってしまいます。そのプレッシャーは思ったより、大きかったです。
国家試験の勉強は、主に5年分ぐらいの過去問を解き、その解説を覚える事でした。25年経った今でも忘れていませんが、全部で14科目、過去問の本を重ねると30センチメートル近くありました。1冊を4日で終わらし、最後の1ヵ月で見直しをしました。我ながら、よく頑張ったと思います。試験当日には、かなり自信はありましたが、それでも緊張感はとても大きかったです。
国家試験は、2日間に分けて行われますが、1日目が基礎系の科目で難しいと言われ、まずまずの出来だったので、2日目はかなり楽な気持ちで受験できました。
2日目終了後、現在、岩手医科大学歯学部の教授の近藤尚知先生と喫茶店で答え合わせをしました。もちろん、優秀な近藤先生の方が正解率は高かったのですが、私も、87パーセントとかなりできたので喜んでいたのですが、実際は問題が易しく、同級生の中では学生時代通り下の方でした。
名前の書き忘れやマークミスもなく、無事に合格した時は、嬉しいというより安心した気持ちの方が大きかったです。ちなみに、同級生は54名でしたが、合格率は100パーセントでした。
今年の国家試験の結果(DESから引用)