あけましておめでとうございます、矯正担当の槇本です。2021年は皆様が安心して治療を受けれるよう、より信頼のおける病院を目指していきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
今回のテーマは、患者様からの質問の中でも多い、『顔が曲がっている気がする』についてです。
人間は、左右対称なものを美しいと感じる傾向にあります。例えば、世界遺産の中でも常に高い人気を誇るインドの「タージマハル」はご存知の方も多いと思います。世界一美しい霊廟と称されていますが、その理由は、徹底した左右対称の美しさなのです。
実は人間の顔でも同じことが言えます。顔の左右対称性の度合いと、魅力的に感じる度合いについての研究がありますが、美しい顔とされているものほど、対称性が高いという結果が出ています。(AよりもBの方が美しいと感じますね。)
人間は左右対称を好むのでしょう?それの理由は脳科学の分野で実証されております。視覚に関わる脳の領域では左右対称のパターンが認識しやすく、視覚的に処理しやすいためなのだと考えられています。
少し前置きが長くなってしまいました。人間の歯は左右対称で片顎7本、上下左右で計28本あります。噛み合わせが非対称だと、顎や、顔も非対称になってきます。そのため矯正の分野でも、左右対称を治療のキーポイントとしており、噛み合わせを作っています。
では、顔の左右対称さを評価する基準としてどういうものがあるのでしょうか。矯正学の分野においては、頭部を正面から規格に則って撮影した「正面セファログラム」を用いた分析を行って、顔面の左右対称性を評価します。
評価方法は、以下のように正面セファログラムをトレースし、行います。
眼窩上の点を結んだ赤い水平線(眼 窩 縁 と斜眼窩縁との交点を結んだ赤い線 (Lo−Lo’))を水平 基準線 H とし,H に対して篩骨鶏冠の中心を通 る垂線を頭蓋の正中線、M とします。
そうすると、下顎骨が曲がっているか、曲がっている量は、M と 下顎骨体の中心(Me)の水平的距離となります。
これがぴったり0mmとなっている患者様は実は少ないのですが、少しずれていても顕著でない理由は、骨は軟組織で覆われているためにカモフラージュされているからなのです。しかし、3~4mm以上のずれがあると、表面上でも分かる様になります。
患者様から「顎は曲がっていますか?」と聞かれたら、当院では、視診のみでなく、正面セファロ分析を行い、治療すべき顔面の非対称なのかどうかを診断します。
当院では、診療日はほぼ毎日矯正治療をしており、無料での初診相談を行っています。もし、ご自身の顎について気になっていることがありましたら、ぜひ一度ご相談ください!お待ちしております。