3つのFとは、歯を守るために必要な3つの要素の頭文字です。
Dental Floss(歯間清掃)
Fluorides(フッ素利用)
Follow up(歯科の定期受診)
これらを実行することで、虫歯になる確率(罹患率)がとても減ります。
読売新聞の記事に「新潟県の子供は、なぜ虫歯が少ないのか」とありました。
賃金水準が高くないのに虫歯が少ない新潟県だそうです。一般的に、虫歯の罹患率と賃金水準は反比例します。新潟県の賃金水準は33位ですが、12歳の子どもの虫歯数の少なさでは、2000年から18年連続トップだそうです。
新潟県は1975年に学校でのフッ素洗口の普及を目指しました。健康への影響に不安を感じてフッ素の使用に反対する声もあったようですが、歯医者が効果や安全性について説明に回ったそうです。そして、1981年に保育園、幼稚園、小・中学校でのフッ素洗口のほか、歯医者さんでのフッ素塗布を進め、学校検診後に問題を指摘された子どもが受診したかどうかを学校で管理する体制も整えていかれたそうです。
虫歯菌は酸を作って歯を溶かしますが、フッ素はカルシウムなどを歯に取り戻す再石灰化を促して歯を強くします。さらに、フッ素を含んだ歯の組織は、普通の歯よりも丈夫で酸に強くなります。特に乳歯や中学生ぐらいまでの永久歯は歯の質が弱いので、この時期のフッ素洗口は虫歯予防に効果があるとされています。日本でも現在、市販の歯磨き剤の多くにフッ素が入っています。
厚生労働省は2003年に「フッ化物洗口ガイドライン」を発表し、フッ素洗口推進の方針を明確に打ち出しています。4歳児から老人まで虫歯予防に有効で、安全性に問題はないとしています。
ただ、世の常でフッ素塗布に反対する方もいます。高濃度のフッ素塗布などを行い続けると歯の表面が白濁を起こす副作用などがある事は事実です。また、予防に薬物を使用するのは論外だという意見もあります。
アメリカでは、虫歯予防のために地区によって水道水にフッ素を混ぜていますが、歯ができる時から体内に吸収されたフッ素が作用して歯質を強化するので、日本人とは硬さに違いが出るのだと言います。
日本では、反対派がいるので、学校における集団でのフッ素洗口でさえ普及しているとは言えず、水道水にフッ素を混ぜるのは、難しい状況です。
しかし、歯科についての知識の普及により、歯医者さんでの定期検診やフッ素塗布を希望される患者様は増えています。また、食生活の変化などにより、子どもの虫歯はどんどん減ってきています。最も多かった1970年代には12歳で平均5本、ほぼ90%に虫歯があったのが、今や平均0.82本(2017年度)、虫歯がある12歳児の割合は35%です。
その一方で虫歯がたくさんあるお子様がいるのも事実です。是非、ご両親様に「3つの F」を覚えて頂き、お子様だけでなく、ご自身の歯の健康を手に入れて頂ければと思います。