こんにちは、矯正医の槇本です。
今日は、患者さまからよく相談がある「2本の歯がくっついてるような気がしますが、大丈夫ですか」ということについてお話します。
これは癒合歯(ゆごうし)と呼ばれるもので、2本の隣り合った歯が歯の形成される時期に結合し、1本になったものです。乳歯にも永久歯にも見られ、発生率は約0.5%です。統計的には乳歯および永久歯の前歯に一番多く見られますが、下の乳歯の前歯に最も多く見られます。
癒合歯と診断されたら・・・
虫歯予防、歯周炎予防のため、日々の歯磨きと歯科医院での定期的チェック、ケアを行いましょう。
乳歯でも永久歯でも、癒合歯は2本の歯の境目が凹んでいることが多いです。そのため、磨き残しによって虫歯や歯肉炎になりやすいのが症状として現れます。特に、歯の裏にたまった汚れが原因で虫歯になりやすいため、自宅ではぜひ注意して仕上げ磨きをしっかりして、むし歯予防に気をつけましょう。
歯科医院で行う治療としては、シーラントとフッ素塗布があります。
シーラントとは:奥歯の溝を薄い樹脂で塞ぐ虫歯予防法。
奥歯の溝は複雑な形をしているので、歯ブラシの毛先が入らずそのために毎日歯磨きをしていても虫歯になってしまうことがありますが、シーラントで奥歯の溝を塞ぐことにより、奥歯の溝の虫歯を防ぐことが可能です。
フッ素塗布とは:歯の表面の歯質を強くする「むし歯予防薬」
フッ素は歯の表面の歯質を強くする「むし歯予防薬」で、健全歯の虫歯を予防することはもちろん、むし歯になりかかっている歯の再石灰化(治す働き)を促進します。歯科医院で用いるフッ素は高濃度であることから、市販のものより効果が高いです。詳しくは当院のドクターにお問い合わせください。
歯並びへの影響は・・・
乳歯の場合、遅い時期まで抜けずに残る(晩期残存)ことが多くあり、発育に応じて抜かなければならないことがあります。また、乳歯の癒合歯の下に、永久歯が1本しかない場合(発生率は40~45%です)があります。その場合、通常より歯の本数が1本少ないことになりますので、噛み合わせに影響が出てきます。
永久歯が癒合歯の場合でも、通常より歯の本数が1本少ないことになります。前歯に生じることが多いため、笑った際に歯が左右非対称となり審美性に影響が出てしまいます。また、歯は左右両側で14本、左右対称になっていますが、片側のみ歯の本数が奇数になりますと対合する歯と本数が合わず、機能的にも噛み合わせに影響が及びます。
当院では、歯並びのご相談はもちろん、歯科医院で行う専門的なシーラント、フッ素塗布も行なっております。ぜひ一度ご相談ください。