こんにちは。春が近づいてきましたが、皆さまご体調はいかがでしょうか。
現在新型コロナウイルスやインフルエンザなどの流行真っ只中で、当院も感染防止にいっそう気を引き締めて行っています。手洗い・うがい・消毒は常に行うようにして、食生活にも気をつけてぜひ身体の免疫力をあげていきましょう。
さて、今回は当院で治療を終えた患者さまのご紹介です。
患者様は13才の男性、主訴は「歯のデコボコ、上と下の歯が噛み合わない」でした。
口腔内写真:
上顎前歯の突出と、噛み合わせがかなり深いですね。個々の歯のサイズは歯列弓と比較し大きいことも認められます。
写真には載せておりませんが、側面の顔貌写真では口元の突出もかなり認められ、口唇閉鎖が難しい状態でした。顎関節の両側クリック、開口障害が認められましたので総合病院に紹介し、症状緩和後矯正治療を開始しました。
治療として、上顎両側第一小臼歯抜歯を行うこととなりました。
目標として、適切な上顎前歯の歯軸を獲得することで口唇閉鎖の改善を行うこと、下顎の前下方への成長を誘導することです。(手根骨の検査から、骨年齢が小さく今後成長のスパートが来ると予想できました)
治療経過1年10カ月の写真です。上顎前歯を後方に下げており、下顎もマルチブラケット装置をつけ並び始めました。初診時より下顎前歯が見えるようになり、噛み合わせの深さが少し改善しています。
治療経過2年5か月、動的治療終了しました。抜歯スペースは完全に閉じ、良好な咬合を獲得しているためマルチブラケット装置を外し、保定を開始しました。上下顎前歯の叢生が大きかったため、裏にワイヤーを貼り後戻りを防止しています。これに加え、上下のプレート型の取り外し式保定装置もつけています。
患者様は15才になり、治療中に身長の伸びと下顎の成長が認められています。それに加え上顎前歯の歯軸を正常値へ導いたため、側貌と口唇閉鎖はかなり大きく改善しました。成長期に治療するメリットとしての顎骨の成長を引き出した症例となりました。
矯正治療を行うことでどんなふうに変わるんだろうといまいち想像つかない方も多くいらっしゃると思いますので、患者様の協力をもとにご紹介させていただきました。このほかにもいろいろな症例がありますので、引き続き今後も紹介していきたいと思います。
日付: 2020年3月3日 カテゴリ:矯正治療関連 and tagged #叢生、#ワイヤー治療、#表側矯正、#II期治療