マルチファミリー

マルチファミリーとは

第Ⅰ期治療、小児が使用する 上下一体型であり素材に弾性のある既製品の矯正装置です。

上顎前突から、ほぼ全ての不正咬合の改善を促す装置です。就寝中に使用します。

日本では、以下の4つ、マルチファミリー、プレオルソ、マイオブレース、T4kが用いられることが多いです。効果はほぼ同じだと考えています。車で考えると簡単です。ホンダ、トヨタ、日産、マツダのようなもので、全て同様に人を乗せて走る道具ですが、性能が少し違うだけです。

当院はマルチファミリーを使用しています。

この中では、最も弾性があり、使用しやすといった理由からです。

これらの装置は、下顎を前方に誘導するバイオネーターと拡大床を合わせた装置の既製品と考えて頂ければと思います。ただ、効果はとてもあり、患者様も最初は、型取りして作製した装置を希望され、半信半疑で使用されますが、満足された結果がでています。

マルチファミリーの種類

マルチファミリーはサイズがとても豊富です。

マルチS ：乳歯列

マルチT ：６歳～８歳の前歯の生え変わり時期

マルチP：側方歯群(横の歯)の生え変わり時期

マルチS	マルチT	マルチP

マルチSとマルチTは、サイズが一種類ずつですが、マルチPは20種類のサイズがあり、既製品とはいえ、お子様のお口の大きさに合わせたサイズを選択して使用が可能です。

 

Multi-P専用ゲイジ

マルチファミリーの症例

マルチファミリー症例 ①

治療前	治療後
	治療後

主訴	上下顎のそう生と側方歯のスペース不足
年齢	8歳3カ月
期間	1年2カ月後
治療費	420,000円

患者様は、マルチファミリーをとてもよく使用してくれて、１年２ヶ月後には前歯のそう生も改善されました。
現在、リーウェイスペースを利用して、乳歯から永久歯の交換を利用して、第Ⅰ期治療のみで終了予定です。

乳歯削合による永久歯萌出スペースの確保

マルチファミリー症例 ②

治療前	治療後
	治療後

主訴	下の前歯が見えない
年齢	8歳2カ月
期間	-
治療費	350,000円

8歳2ヶ月の男の子で、下の前歯が見えない事を気にされ来院されました。

過蓋咬合を改善するのは、矯正治療の中でも、とても難しいです。小児からマルチファミリーを使用すると、劇的に改善する場合が多いです。この患者様でもマルチファミリーを使用しました。最初から朝まで使用ができ、どんどん下の歯が見えてきました。患者様も装置の効果が明らかになると、さらに使用してくれました。

一年間毎晩使用して頂いた後、現在は、週２回就寝中に使用して側方歯の交換を経過観察中です。第Ⅰ期治療のみで終了予定です。

マルチファミリー症例 ③

治療前	治療後
	治療後

主訴	上下の前歯のがたがた
年齢	9歳1カ月
期間	2年
治療費	370,000円

9歳1ヶ月の女の子で、上下の前歯のがたがたを気にされ来院されました。

側方歯が交換中なので、拡大床等の患者様の歯並びに合わせたオーダーメイドの矯正装置では、すぐに適合が悪くなってしまいますので、既製品のマルチファミリーが使用しやすいです。とてもよく使用して、さらに、乳歯から永久歯への交換を調整していく事で、第Ⅰ期治療のみで終了しました。

今後は、第二大臼歯が萌出するまで成長を定期的にみていく予定です。