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南千住小児歯科矯正歯科

保定装置

後戻りを防止する保定装置

動かした歯を押さえておく為の装置が「保定装置」です。

歯がきれいに並び、矯正装置を外した後、保定を行わないと後戻りを起こしてしまいます。これは、まだ歯が新しい位置に安定していないためで、それを安定させる為です。動かした歯の周りの歯槽骨が再生する3カ月は特に後戻りが起きやすいので、使用を徹底して下さい。

保定装置には、取り外せるものと取り外せないものがあり、患者様ごとに使い分けます。取り外せる ものは説明された使用頻度と使用時間をお守り下さい。取り外せないものを装着 する場合は、装置の周辺が不潔にならないようにブラッシングなどを入念に行う必要があります。
当院では、初めの 1 年間は就寝時保定装置を用います。
その後は 1 日おき、2 日おきにして頂き、3 年目からは週 1、2 回使用して頂きます。

①マウスピース(クリアリテーナー)

②リテーナー

ホーレーリテーナーとラップアラウンド(ベッグ、サーカムフェレンシャル)リテーナーがあります。

③ 針金による固定

歯の動きに針金を貼る方法です。

各保定装置のメリットとデメリット

当院では、実際に3つの保定装置を使用していますが、それぞれの保定装置には、メリットとデメリットがあります。また、治療をしている中で患者様の歯の動きから、どの保定装置が良いか判断させて頂きます。

 

オーバーコレクション

オーバーコレクションとは、予測される後戻り分だけ理想とする最終位置よりも過度の矯正を行うことをいいます。矯正治療には後戻りが生じてしまう事が多いので、オーバーコレクションを行う事が大切です。

例えば、図の⭕️で示すように、舌側にある歯を綺麗な位置よりも、後戻りを見込んで、さらに唇側に移動させて矯正治療を終了させます。

頬舌的には、可能ですが、近遠心的には不可能です。近遠心では、歯が接触した以上に動かす事ができないからです。抜歯をする矯正治療では、矯正装置を外す時点では、抜歯空隙は閉じていますが、後戻りして隙間が空いてしまう事があります。

また、過蓋咬合や開咬の治療のオーバーコレクションは、なかなか難しいです。

トルクの重要性

歯は、その傾斜角度によって噛み合わせの安定性が変わってきます。歯槽骨との位置関係が良いこと、周りの歯と根尖の向きが同じ方が後戻りしにくいです。その為には、太い長方形のワイヤーで、トルク(ひねる力)をかけるこが重要です。ただ、歯根吸収も起きやすいともいえるので注意しながらトルクをかけます。

「一生」保定が重要です。

歯並びは、矯正治療に関係なく加齢とともに変化していきます。私自身は、矯正治療はしていませんが、歯並びはとても良かったのですが、35歳ぐらいから、徐々に下の前歯にがたがたが出てきています。

この原因は、歯を支えている歯槽骨と口の周りの筋肉と舌の筋肉のバランスで、歯の位置は安定していると考えられますが、加齢ともにそのバランスが崩れてきているからです。

歯槽骨は、どんなに歯磨きをされても加齢とともに吸収していきます。

口の周りの筋肉も弱くなってきます。それに対して、舌は、毎日朝から晩まで働き続けるので、舌筋は強いままなので、バランスが崩れてきます。

また、歯ぎしりやくいしばり等で歯にも負担はかかり、すり減ってきて、今まで咬む力を奥歯で負担してきたのが、前歯でも負担しないといけなくなってきた、歯並びは崩れていきます。

上の図で示すように、例えば20歳で矯正治療が終了した患者様が、保定装置を使用した場合、80歳でも問題ありません(70点ぐらい)が、保定装置を使用されない場合、65歳ぐらいで問題が生じてきてしまいます。

また、若い時は、多少の問題(70点の患者様)があっても大丈夫ですが、加齢とともに、問題が生じてきてしまうのを示したグラフです。
矯正治療は、絶対にしなければならない治療ではないと考えていますが、70点ぐらいの方は、されてもいいように思います。
従って、若い時の歯並びを保つ為には、矯正治療経験の有無に関わらず、保定装置の使用をお勧めます。

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